難聴がある方もない方も、障害者手帳という言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。
障害者手帳というのは、
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
上記3つの手帳を総称した呼び方です。
聴力に関しては身体障害者手帳に入ります。
私は、難聴が悪化してきた時に障害者手帳をもらうことができるのか調べました。
調べてわかった事は、難聴で障害者手帳をもらえるレベルは、
高度難聴や重度難聴で、中度難聴は交付対象ではないということでした。
身体障害者手帳とは
身体障害者手帳とは、
身体の機能に一定以上の障害があると認められた時に交付される手帳です。
お住まいの都道府県、指定都市または中核市にて認定や、交付が行われます。
交付には都道府県知事、指定都市市長または中核市市長が指定する医師の診断書・意見書、写真が必要です。
障害者手帳の等級、交付の基準について
障害者手帳には等級があり、難聴のレベルによって等級が変わります。
聴力レベル(dB ) | 聴覚障害 | 手帳の等級 | 等級の内容 |
---|---|---|---|
25dB未満 | 正常 | ||
25以上40dB未満 | 軽度難聴 | ||
40以上70dB未満 | 中度難聴 | ||
70dB以上 | 高度難聴 | 6級 | 1 両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメート ル以上の距離で発声 された会話語を理解し 得ないもの) 2 一側耳の聴力レベ ルが90デシベル以上, 他側耳の聴力レベルが50デシベル以上の もの |
80dB以上 | 4級 | 1 両耳の聴力レベルがそれぞれ 80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの) 2 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下のもの | |
90dB以上 | 重度難聴 | 3級 | 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの) |
100dB以上 | 2級 | 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳 全ろう) |
上記のように60デジヘルの中度難聴で補聴器を着用している人でも障害者手帳の交付基準には該当しないのです。なかなか厳しいですね。
4級に、両耳の最良の語音明瞭度が50%以下というものがあります。
語音明瞭度とは、言葉をどれだけ正しく聞き取れたかを示すものになります。
感音性難聴になると、言葉の聞き取りが難しくなるので、聴力があっても語音明瞭度が50%以下なら障害者手帳を交付してもらえる可能性があります。
ちなみに検査の方法は、「あ」「さ」「ぬ」などが一音ずつ流れ、それを聞き取って自分で声にして発するという方法です。
私は補聴器を購入する際に補聴器専門店で調べてもらいました。
思いのほか聞き取れていなくて結構落ち込みましたが、私は50パーセント以上あったので、今のところ交付対象ではありません。
補聴器専門店や耳鼻科で検査できるようなので、聞き取りに関して気になることがあれば受けてみるのもオススメです。
障害者手帳を持つとどうなるのか
ちなみに障害者手帳を交付されると一体どういったことがあるのでしょうか。
いつか自分が交付される時が来るかもしれないので、調べてみました。
- 就職の際に障がい者雇用枠へ応募ができる
- 就労支援が受けられる
- さまざまな割引や助成が受けられる
- 税金控除がある
就職の際に障がい者雇用枠へ応募ができる
企業には障がい者雇用があり、法律に基づいて義務付けられています。
※障害者雇用促進法において、企業に対して、雇用する労働者の2.3%に相当する障害者を雇用することを義務付けている(障害者雇用率制度)
障がい者雇用で働くことで、配慮してもらえることが多くなる点がメリットです。
私は、コミュニケーションが必要になってくる職場で、うまく会話ができなくて悩んだ経験があります。
障がい者雇用だと自身の難聴を理解してもらいやすいので、コミュニケーションによる精神的なストレスは軽減できるのではないかと思います。
就労支援が受けられる
障害がある方が、就職や転職をするにあたっての不安や悩みを相談できるサービスや、就職に向けての資格やスキル習得の場を提供している施設を利用できます。
就労支援に関しては、必ずしも障害者手帳が必要なわけではありませんが、利用する時に持っているとスムーズに進みます。
私は、一回近くの施設に見学に行き、相談しました。
それについてはまた記事に書きたいと思います!
さまざまな割引や助成が受けられる
障害者手帳を持っていると色々な場所でサービスが受けられます。
アミューズメント施設などで障がい者割引というものを一度は目にしたことがあるかと思います。
私の大好きな東京ディズニーリゾートのチケットにも障がい者のある方向けチケットがあり、一般のチケットよりも最大2,200円ほど安く購入ができます。
また、他にも助成があります。一部を紹介します。
- 公共交通機関の割引
- NHKの受信料金の割引
- 携帯電話の割引
- 医療費の助成
- 補聴器などの購入の助成
などです。
税金控除がある
障害者手帳を持っていると税金の控除を受けることができます。
- 所得税の控除
- 住民税の控除
- 相続税の障害者控除
- 自動車税・軽自動車税の減免
- 自動車取得税の減免
- 少額預金の利子所得の非課税 など
障害者手帳の等級によって控除額が異なります。
- 「特別障害者控除」の適用者
-
身体1級か2級、精神1級、療育Aのどれかに該当する方
- 「障害者控除」の適用者
-
上記以外の障害者手帳をお持ちの方
デメリットに関しては特にないのですが、強いて言えば、精神的な面かなと思います。
ただ、必要な場面で提示すればいいですし、就業でも必ず提示しなければならないわけではありません。
働き方も色々な選択肢から決めることができるので、特にデメリットはないかなと私は思います。
まとめ
難聴があっても現状の基準は厳しく、私のように補聴器がなくてもある程度聞こえる場合は、障害者手帳の交付対象にはならないようです。
日本の障害の程度は世界保健機関(WHO)の基準に比べて厳しいようで、聴覚障害者団体は日本の障害程度を国際基準に合わせるように、「デシベルダウン」という運動にも取り組んでいる最中だそうです。
正直もう少し基準が下がってくれたら助かりますよね。
ただ、他の障害にも当てはまることがあれば対象になることもあるかもしれません。
今のご自身の状況を知りたいときはお住まいの自治体へ確認してみるとよいかと思います!
ちなみに私は現状申請などは考えていません。今後悪化してきた時に改めて考えようと思っています。(悪化はしてほしくないですが…)